使おうAED 減らせ突然死

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AED10年目の想い

石見拓写真
石見拓 IWAMI taku
  • 減らせ突然死事務局
  • PUSHプロジェクト 代表
  • 京都大学 環境安全保健機構 教授

私の心肺蘇生との出会いは、17年前、研修医の頃に聞いたある先生の講演の中での、「心臓病で亡くなる方の多くがどこで亡くなっているのか、君たちは知っているのか?」との問いかけでした。 心臓病で亡くなる方の多くは突然死で病院の外で亡くなっていること、心肺蘇生というとてもシンプルな手技を広げることで、多くの命を救えることを知りました。 「医療のフォーカスを院外へ」というメッセージに心を打たれました。

さっそく、身近なところで、心肺蘇生の普及活動をスタートしました。 それ以降、心肺蘇生の普及・啓発活動は、私にとってのライフワークです。 講習の中身を工夫したり、心肺蘇生の効果をデータにして客観的な説得力を持たせたり。 一番苦労するのは、如何に心肺蘇生を学ぼうという気持ちになってもらうか、きっかけづくりなのですが、その意味で2004年のAEDの登場はインパクトの大きな出来事でした。 電気ショックという医療行為の一部を市民に委ねるという前代未聞(だったと思います)のコンセプトで登場したAEDが、少し遅れたとはいえ日本でも導入され、誰もが使える機会を得たことは大きな転換点だったと思います。 AEDは、早期の電気ショックで救命率を高めるという効果だけでなく、突然の心停止からの救命の主役は市民であることを象徴的に示す役割も担っています。

今、日本は、世界で最も多くのAEDが設置され、突然の心停止から救命できる可能性が高い地域になっています。 でも、まだ、十分ではありません。まだまだ救える命があります。心肺蘇生やAEDは、決して特別なことではなく、全ての国民が知っておくべき事です。 ほんの少しの知識と勇気で、大切な命が救われるかもしれないのですから。 命を救えなかったとしても、その時そばにいた方々が、声をかけ、胸骨圧迫を行い、AEDを使おうと試みることで、救われる家族もあります。

心肺蘇生・AEDの普及活動を通じて、突然の心停止の現場で、行動を起こしてもらうためには、知識・技術やデータ以上に、『勇気、気持ち』が大切なんだということを考えさせられました。 そして、『勇気、気持ち』を動かすのは、この取り組みに関わる人たちの『想い』だと思います。 全国で、多くの有志が、救いうる命を救うための普及・啓発に取り組んでいます。 大切なご家族を失った人たち、救命処置に関わられた人たち、様々な立場で普及啓発活動に携わっている人たち。 そして、予期せぬ突然死で亡くなってしまった人たち。 みんなの想いと行動を繋いで、誰もが倒れた人に声をかけ、AEDを使えるような、温かい社会を実現するきっかけとなるようなプロジェクトにしたいと思っています。
皆さんと共に、『減らせ、突然死、使おう、AED!』