使おうAED 減らせ突然死

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AED10年目の想い

喜熨斗智也写真
喜熨斗智也 KINOSHI tomoya
  • 減らせ突然死事務局

私は10年前から、救急救命士がAEDを背負って自転車でマラソンコースを巡回する「モバイルAED隊」というチームを組んで、マラソン大会の救護活動に取り組んできました。 なぜ、数あるスポーツの中でマラソンなのかと言いますと、実はスポーツの中で1番突然死が多い種目は「マラソン」なのです。

一方で、この活動を始めた最初の頃は、正直に言いますと心の中では 「AEDは本当に効果があるのだろうか?」 「心臓が一度止まった人がそう簡単に蘇るのだろうか?」と思っていました。 なぜなら、病院に心臓が止まって搬送されてきた方が歩いて帰った姿を見たことがなかったからです。

そんな印象を一気に覆したのが2007年に開催された第1回目の東京マラソンでした。 このとき、心停止になったランナーに私たちの救命チームは初めてAEDを使いました。 その方は一命を取りとめ、お元気な姿でご挨拶に来られ、涙を流して「ありがとう」と言ってくれました。 そのときに「こんな簡単なことで、人の人生は変えられるんだ」って思いました。

日本は誰もがAEDを使えるようになり10年が経ち、世界で1番AEDが設置されている国になりました。 しかし、そのAEDがまだまだ効果的に使われているという訳ではありません。 私はこの「AED導入10年目プロジェクト 減らせ突然死 〜使おうAED〜」を通して、一人でも多くの人が、目の前で倒れた人に一歩踏み出す勇気を持てるように、AEDというものを広めていきたいと思います。

家族、恋人、友人...大切な人のそばにいるのはあなた。大切な人を守れるのもあなたしかいません。 心臓マッサージだって、AEDだって決して難しくはありません。必要なのは一歩踏み出す勇気です。