



- さいたま市教育委員会 副教育長
桐淵前教育長から「明日香さんの御遺族と協力して事故対応のマニュアルづくりを進めてください。」という命を受け、私は、「体育活動時等における事故対応マニュアル作成プロジェクトチーム」のリーダーを務めました。 チームの全員が、『二度とこのような事故を繰り返さない』という強い思いを胸に、御遺族や専門家の皆様とともに「ASUKAモデル」の作成に取り掛かりました。
プロジェクト会議のメンバーが集まることができるのは、それぞれの業務終了後の夜間と休日でした。 12回の会議を重ねるとともに、職場や自宅に持ち帰っての作業など膨大な時間を費やしました。
会議は、長時間に渡り、激論を交わすこともありましたが、メンバー全員の『二度と・・・』という強い思いに支えられ、何とか作業を進めることができました。
このプロジェクトは、事故に関するできる限りの情報を集め、その分析を行い、「実際に行動できる具体的な対策」を導き出すことを最終目標としていました。
医師でない私たちが、目の前で倒れている人に対して、意識や呼吸が普段どおりであるかを判断することは、簡単なことではありません。 しかし、躊躇している余裕はないのです。どうしたらよいか『わからない』ときには、迷わず胸骨圧迫を行い、AEDを使用すること。 これが「ASUKAモデル」の全てだと思います。
明日香さんは、この「ASUKAモデル」の中で生き続け、そしてこのテキストとともに成長していくと思います。
「減らせ突然死 使おうAED」プロジェクトにより、一つでも多くの命が繋がることを願ってやみません。