



- 国士舘大学体育学部スポーツ医科学科 教授
- 一般社団法人 ハートセーバージャパン 理事長
空振りでもいい、AEDで見逃し三振はしたくない。
我が国では一般市民がAEDを使用できるようになって10余年、それまでは突然死の原因や蘇生率が3%前後といわれていたものが、いまでは心臓突然死が約7万人、AEDを用いた症例の1か月生存率が31.6%とAEDの効果が誰でも理解できるようになってきた。 これも多くの先人と全国の救急隊員が努力を重ねてきたからこそ得られた数字である。 関係諸氏のこれまでの努力に感謝したい。
我が国は世界の中でも、またアジアの中でも最もAEDの導入と心肺蘇生教育が進んだ国と認識されている。 年間350万人近くが心肺蘇生を学んでいることも世界に誇れるものである。 またAEDが40万台も普及していること人口比で考えるとアメリカを抜いたと考えられている。
しかし、AEDを使用した件数は2013年一年では1832件で、心原性心停止で倒れるところを目撃された中の3.7%程度しか使われていない。
また学校における突然死も30件程度発生していると報告されている。最も頻度が多いのが運動中の突然死だ。
サッカーJ2山雅の松田直樹選手のようにまだまだ悔しい事例の報告が後を絶たない。
もっと強力にAEDをアピールすべきだと考えた。そんな気持ちをもった同志がこの減らせ突然死!
使おうAEDプロジェクトを立ち上げた。
一人でも多くの方々にこの思いが届けられることを望んでいる。
私が突然死を減らすため提案したい事は3つ。
1)AEDをもっと目立つ場所に24時間設置すること、AEDの所在をわかるようなサインボードやステッカーを300m四方に16枚程度貼るべきと考えている。
デパートでも駅でも世界中トイレのサインは目立つところにあるのにも関わらず、AEDは命を救う機会でありながらあまりにもアピールが足らない。
減らせ突然死!貼ろうAEDステッカー!を提案したい。
2)2番目に提案したいのはAED条例である。AEDは医療器械であるがゆえに適切な管理と設置の整備や登録がされなければならない。
その主体は地方自治体の厚生労働部局である。各県・各市・各町における設置登録届け出業務を行い、地域住民にその所在を明確に提示するべきである。
また設置管理や設置場所でのAEDのトレーニングが的確にできている適切な施設には優マークを付与し、パットやバッテリーなどの交換の費用補助をすべきである。
減らせ突然死!作ろうAED条例を提案したい。
3)最後に提案したいのは国民すべてがAEDを使えるために義務教育・高等教育・スポーツ教育に心肺蘇生教育を導入することである。
命を助けるのに年齢の下限はない。また少子化の日本の蘇生率を改善するには学校・スポーツにおける教育以外にはない。
2020年のオリンピックにむけて安全で安心な街を構築するためにも全学童・生徒・学生・全アスリートへの反復教育以外にはAEDの使用率の向上はあり得ない。
教えようAED教育!を提案したい
人が倒れている!このような場面にもし遭遇してもあわてず一歩前に足をふみ出せる人を増やしましょう!