


加藤 雅規 名古屋市交通局
2013年10月2日
車掌になって約1年。
この日私は名古屋市地下鉄東山線で運行中でした。
午後11時半ごろ、突然警報が鳴りました。
インターホンで「どうしましたか」と呼びかけると、3両目から「男性が倒れた」との返事。
終電間際の車内はほぼ満員。
乗客をかき分けて男性のもとに行くよりも次の駅で停車しホームへ出て走ったほうがいいと判断しました。
かけつけたところ、男性が倒れていて乗客の方が心臓マッサージをしていました。「助けなきゃ」その男性の顔色は浅黒く、呼吸もなく、約5年前に祖父が倒れた時の状況とよく似ていると思いました。
駅員にAEDを持ってくるように伝え、心臓マッサージを代わりました。呼吸はないが、呼びかけには体が反応しているようで、「息をしてください!」必死に声をかけてマッサージをしました。
AEDが到着し、男性の体にパッドを装着し、ショックを1回、2回。AEDガイダンスに従い3回目のショックを与えると、男性は息を吹き返しました。
不整脈ぎみではありましたが、心臓も動き始めました。
意識はありませんでしたが、10分ほどで救急隊が到着し後を託しました。
後に、男性が無事に助かったことを聞いて、よかった。
と思いました。
「お客様が安全に目的地まで行っていただけるように、という日頃の想いと準備が、スムーズな救助活動につながり、ほんとうによかった。
地下鉄は市民の生活を支える土台だと思います。しっかりと支えていきたい。」
名古屋市営地下鉄では、全駅にAEDを設置し、職員が普通救命講習を受け、もしもの事態に備えています。